現在、国会で令和6年度補正予算案が審議されている（令和6年12月10日執筆時点）。その中に、中小企業や中堅企業向けに新しく創設される補助金が含まれているので、その内容をお伝えしたい。

 まずは、中小企業成長加速化補助金である。中小企業生産性革命推進事業（補正予算総額3,400億円）の一部として、ものづくり補助金やIT補助金などと一緒に予算対象となっている。

 売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業の潜在的な投資を最大限引き出すため、大胆な設備投資を支援、新事業・新分野進出、M&A等の中小企業が抱える高度な課題を解決するための官民一体での支援体制の構築や海外展開支援、人材育成・人材確保への支援、これらの支援に必要な基盤整備等を実施する、となっており、詳細はわからないが、要件と補助対象経費は以下となっている。

 次は、新事業進出補助金である。この補助金は正確には令和6年度補正予算ではなく、既存基金の活用（1,500億円規模）となっているが、新設の補助金となるようである。

 中小企業・小規模事業者の成長につながる新事業進出・事業転換を重点的に支援するための新たな支援措置を創設することが趣旨とされている。

 公表されている情報では、以下が要件、補助対象経費となる。

（1）大規模成長投資補助金

 人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に対して補助を行う。

（2）地域企業経営人材確保支援事業給付金

 着実な事業成長等を実行可能な経営体制を整備するため、転籍・兼業・副業・出向等により大企業から経営人材を受け入れた場合に、給付金を給付する。