カスタマーハラスメント対策で企業はどう動くべきか?
2025.01.06
東京都では令和7年4月からカスハラ防止条例施行へ
厚生労働省は、顧客や取引先らによる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対策を企業に義務付ける方針で動き始めている。また、東京都では令和7年4月1日からカスタマー・ハラスメント防止条例が施行されることから、社会問題となりつつあるカスハラ対策には国、自治体だけでなく各企業においても力を入れていく必要がある。
厚生労働省では2022年にすでに「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発行しており、これらを参考にカスハラ対策を進めている企業もあるが、まだまだ手をこまねいている企業のほうが多いと推測される。今回はこの「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」から基本的な考え方などポイントをまとめておくこととする。
厚生労働省では2022年にすでに「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発行しており、これらを参考にカスハラ対策を進めている企業もあるが、まだまだ手をこまねいている企業のほうが多いと推測される。今回はこの「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」から基本的な考え方などポイントをまとめておくこととする。
カスタマーハラスメントの判断基準は各社で明確にしておくこと
カスタマーハラスメントとは、上記マニュアルにおいては「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義している。
各企業においては実際に受けたカスタマーハラスメント行為の中では正当な理由がなく過度に要求する事案や対応者の揚げ足を取って困らせる事案が多くみられ、コロナ禍でのマスク着用、消毒、窓開けに関する強い要望に関するトラブル事案もあったようだ。
カスタマーハラスメントの判断基準は、業種や業態、企業文化によりさまざまであり、企業によって違いが出てくるのは当然であり、今後は各社であらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要であるとしている。
各企業においては実際に受けたカスタマーハラスメント行為の中では正当な理由がなく過度に要求する事案や対応者の揚げ足を取って困らせる事案が多くみられ、コロナ禍でのマスク着用、消毒、窓開けに関する強い要望に関するトラブル事案もあったようだ。
カスタマーハラスメントの判断基準は、業種や業態、企業文化によりさまざまであり、企業によって違いが出てくるのは当然であり、今後は各社であらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要であるとしている。
カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築する
カスタマーハラスメントによる影響については従業員に関しては業務のパフォーマンスの低下、健康不良、現場対応への恐怖、苦痛による配置転換、休職、退職などがある。企業への影響も時間の浪費、業務上の支障、人員確保などたくさんある。そして他の顧客への影響については、業務遅滞によってサービスが受けられないこと、あるいは店舗や企業のブランドイメージの低下につながることもあり得るからこそ、企業はカスタマーハラスメント対策を講じることでマイナスの影響を生じさせないように早期に着手すべきである。
企業がカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築するため、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応をする際は、同マニュアルの「4.企業が具体的に取り組むべきカスタマーハラスメント対策」を参考にするとよいだろう。同マニュアルからそのポイントを以下に転載する。
企業がカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築するため、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応をする際は、同マニュアルの「4.企業が具体的に取り組むべきカスタマーハラスメント対策」を参考にするとよいだろう。同マニュアルからそのポイントを以下に転載する。
<カスタマーハラスメントを想定した事前の準備>
<カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応>
①
事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
②
従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
③
対応方法、手順の策定
④
社内対応ルールの従業員等への教育・研修
⑤
事実関係の正確な確認と事案への対応
⑥
従業員への配慮の措置
⑦
再発防止のための取組
⑧
①~⑦までの措置と併せて講ずべき措置
出典:
カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/