ペット保険、市場これからも伸びるのか

高橋 浩史
2025.02.06

 コロナ禍をきっかけに、ペットを飼い始めた人は多いと言われています。それに伴い、ペットとの暮らし方の変化やペットへの健康意識の高まりなどから、ペット保険市場も成長を続けているようです。
保険市場、拡大の背景は
 新聞報道によると、ペット保険市場は年々規模が拡大しているとのこと。異業種からの参入や、保険料の引き下げ競争も増しているようです。

 ペット保険市場が拡大している背景には、いくつかの要因が考えられますが、まず考えられるのは「ペットの医療費」ではないでしょうか。

 ペットには人のような公的な医療保険制度はありませんから、けがや病気で動物病院を受診した場合の医療費は、基本的には全額が自己負担です。けがや病気の内容によっては治療費が高額になるケースも考えられるため、そうした場合の自己負担軽減対策として、ペット保険の利用が拡大していると思われます。

 また、ペットを動物としてではなく、家族の一員として考える飼い主が増えていることも背景にありそうです。ペットの健康を維持し、ともに長く暮らしたいという飼い主の願いが、ペット保険市場の拡大に寄与しているものと思われます。
ペット保険の補償内容も多様化が進む
 ペット保険の補償は、一般的にはペットのけがや病気で通院、入院、手術をしたときの補償が基本です。これらの費用の一定割合(50%・70%など)が補償されます。

 また、保険会社によっては歯科治療を補償するものもあります。犬や猫は、人のように自ら歯磨きをする習慣がないため、歯周病になりやすいと言われています。もしも、歯科治療で全身麻酔などが行われると治療費も高額になりがちです。

 ペットを家族にする人にとって、ペット保険へのニーズはもちろんのこと、ペット保険の補償選びについてのアドバイスも重要な時代になっていると言ってもよいかもしれません。

 先の新聞報道によると、海外と比較した日本のペット保険の加入率から見ても、今後も拡大する余地は大きいそうです。「保険好き」といわれる日本で、ペット保険がどこまで伸びていくのかが注目されます。
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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