相続人のいない遺産が初めて1,000億円を超えた
2025.03.10
相続人のいない遺産が1,015億円
新聞の報道によれば、最高裁判所への取材から、相続人のいない遺産が2023年度に初めて1,000億円を超えて1,015億円となり、10年間で3倍に増えたことが判明したとのこと。
亡くなった人の財産を受け継ぐ相続人、誰が相続人になるのかは民法で決められている。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹などが相続人となるのであるが、相続人が誰もいなく遺言もないと、亡くなった人の財産は原則として国庫に入り、国の財産となる。
亡くなった人の財産を受け継ぐ相続人、誰が相続人になるのかは民法で決められている。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹などが相続人となるのであるが、相続人が誰もいなく遺言もないと、亡くなった人の財産は原則として国庫に入り、国の財産となる。
原因は単身高齢者の増加
相続人のいない遺産が10年間で3倍にまで増えたのは、配偶者や子どもがいない単身高齢者の増加が原因と考えられる。
厚生労働省が公表している「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の者は3,952万7千人となっており、このうち単身世帯は855万3千人(21.6%)であった。
10年前は、65歳以上の者は3,239万4千人であり、このうち単身世帯は573万人(17.7%)であった。
単身高齢者数は増加傾向にあり、今後も相続人のいない遺産は増え続けることが予想される。
厚生労働省が公表している「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の者は3,952万7千人となっており、このうち単身世帯は855万3千人(21.6%)であった。
10年前は、65歳以上の者は3,239万4千人であり、このうち単身世帯は573万人(17.7%)であった。
単身高齢者数は増加傾向にあり、今後も相続人のいない遺産は増え続けることが予想される。
遺贈寄付
相続人がいない場合、遺言書を書いて、財産を自分が希望する団体や施設などに寄付する遺贈寄付という方法がある。
寄付したい団体や施設などが複数あれば、複数に指定することもできる。
お世話になった人へ寄付することで、感謝の気持ちを込めることもできる。
最近では、相続人がいても財産が少々あるがために円満な相続ができず、争族になるケースも多い。
相続人がいない場合だけでなく、争族を避けるためにあえて遺贈寄付するという方法も考えられるのではないか。
寄付したい団体や施設などが複数あれば、複数に指定することもできる。
お世話になった人へ寄付することで、感謝の気持ちを込めることもできる。
最近では、相続人がいても財産が少々あるがために円満な相続ができず、争族になるケースも多い。
相続人がいない場合だけでなく、争族を避けるためにあえて遺贈寄付するという方法も考えられるのではないか。
遺言書の活用を
遺贈寄付をはじめ、争族を避けるために、遺言書は重要な役割を持つので、ぜひ活用したい。
遺言書の内容によっては作成するのに手間や費用がかかることもあるが、たとえば「〇〇に一切の財産を遺贈する」というようなものであれば、法務省の自筆証書遺言書保管制度を利用して自分で作成することもできる。
遺言の内容について相談することはできないが、保管の際には、法務局職員(遺言書保管官)が民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認(全文、日付および氏名の自書、押印の有無など)を行ってくれるため、家庭裁判所での検認が不要となる。
保管申請手数料は1通につき3,900円である。
遺言書の内容によっては作成するのに手間や費用がかかることもあるが、たとえば「〇〇に一切の財産を遺贈する」というようなものであれば、法務省の自筆証書遺言書保管制度を利用して自分で作成することもできる。
遺言の内容について相談することはできないが、保管の際には、法務局職員(遺言書保管官)が民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認(全文、日付および氏名の自書、押印の有無など)を行ってくれるため、家庭裁判所での検認が不要となる。
保管申請手数料は1通につき3,900円である。

西海 重尚(にしうみ・しげひさ)
西海FP事務所 代表
CFP®認定者、1級 ファイナンシャル・プランニング技能士、J-FLEC認定アドバイザ―、公的保険アドバイザー、終活アドバイザーなどの資格を保有。
慶應義塾大学 経済学部卒。
33年間のサラリーマン生活において大手損害保険会社、生命保険会社、日本FP協会認定教育機関に勤務。
現在は独立系FPとなり、保険・年金・相続に強いアドバイザーとして活動中。
自己紹介用ホームページ https://fuku29390fpo.com
CFP®認定者、1級 ファイナンシャル・プランニング技能士、J-FLEC認定アドバイザ―、公的保険アドバイザー、終活アドバイザーなどの資格を保有。
慶應義塾大学 経済学部卒。
33年間のサラリーマン生活において大手損害保険会社、生命保険会社、日本FP協会認定教育機関に勤務。
現在は独立系FPとなり、保険・年金・相続に強いアドバイザーとして活動中。
自己紹介用ホームページ https://fuku29390fpo.com