最低賃金の政府目標、地方・小規模企業の
4社に1社が「対応不可能」と回答
2025.04.07
新たな政府目標への対応、地方・小規模企業ほど深刻
日本商工会議所ならびに東京商工会議所は、最低賃金の2年連続の大幅引上げや最低賃金の新たな政府目標を受け、中小企業への影響や受止め等の実態を把握し、今後の要望活動に活かしていくために「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」を実施し、その集計結果を発表した。
今回の調査は3,958社の回答を、東京23区・政令指定都市の都市部(601社)とそれ以外の地方(3,357社、うち従業員20人以下の小規模企業1,619社)に分け、集計・分析している。
調査結果によると、新たな政府目標の最低賃金(2020年代中に全国加重平均1,500円の達成)について、地方・小規模企業の4社に1社が「対応不可能」と回答。また、2025年度より政府目標どおりの最低賃金引上げ(7.3%、89円)が行われた場合、地方・小規模企業の2割(20.1%)が「収益悪化により、事業継続が困難(廃業、休業等の検討)」と回答している。
今回の調査は3,958社の回答を、東京23区・政令指定都市の都市部(601社)とそれ以外の地方(3,357社、うち従業員20人以下の小規模企業1,619社)に分け、集計・分析している。
調査結果によると、新たな政府目標の最低賃金(2020年代中に全国加重平均1,500円の達成)について、地方・小規模企業の4社に1社が「対応不可能」と回答。また、2025年度より政府目標どおりの最低賃金引上げ(7.3%、89円)が行われた場合、地方・小規模企業の2割(20.1%)が「収益悪化により、事業継続が困難(廃業、休業等の検討)」と回答している。
最低賃金の負担感、「大いに負担」と「多少は負担」を合わせて7割超
最低賃金は最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないことになっている。
使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはならないことになっており、違反した場合には罰則(50万円以下の罰金)も定められており、違反は絶対に許されないのはいうまでもないが、近年は最低賃金の上昇率が高すぎて中小零細企業にはかなり厳しい経営環境となっており、このままでは事業の存続が危うい会社があってもおかしくない。
現在の最低賃金の負担感について、「大いに負担」と「多少は負担」を合わせた負担と感じているとの回答は76.0%に達し、昨年調査から10.3ポイント増加。「大いに負担」という回答だけでも3社に1社(32.3%)を占め、昨年調査と比較すると11.8ポイントも増加している点は気になるところだ。
使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはならないことになっており、違反した場合には罰則(50万円以下の罰金)も定められており、違反は絶対に許されないのはいうまでもないが、近年は最低賃金の上昇率が高すぎて中小零細企業にはかなり厳しい経営環境となっており、このままでは事業の存続が危うい会社があってもおかしくない。
現在の最低賃金の負担感について、「大いに負担」と「多少は負担」を合わせた負担と感じているとの回答は76.0%に達し、昨年調査から10.3ポイント増加。「大いに負担」という回答だけでも3社に1社(32.3%)を占め、昨年調査と比較すると11.8ポイントも増加している点は気になるところだ。
「最低賃金を下回る従業員がいたため、賃金を引き上げた」企業は4割超
2024年の最低賃金引上げにより、「最低賃金を下回る従業員がいたため、賃金を引き上げた」企業は44.3%に達した。地方では半数近く(46.4%)も占め、都市部(32.4%)より14ポイント高い結果となっており、地方のほうが賃金引上げの対応でかなり深刻な状況に陥っている企業が多いことが推測される。
最低賃金の引上げへの対応のために、政府等に求める支援について尋ねたところ、「税・社会保険料負担等の軽減」が約8割(77.5%)と最多となっていた。これらの意見も含め、最低賃金上昇が中小企業に及ぼす影響について政府には正しく理解してもらいたいところである。
最低賃金の引上げへの対応のために、政府等に求める支援について尋ねたところ、「税・社会保険料負担等の軽減」が約8割(77.5%)と最多となっていた。これらの意見も含め、最低賃金上昇が中小企業に及ぼす影響について政府には正しく理解してもらいたいところである。

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/