テレワークの導入目的、非常時の事業継続対策がトップ
2025.05.12
新型コロナウイルスの感染拡大で普及したテレワーク
東京都では、都内の従業員数30人以上の企業1万社に対して、テレワークの導入状況についてアンケート調査を行い(調査期間は2024年11月)、このたびその結果を発表した。
テレワークを「導入している」と回答した企業に対し、テレワークの導入目的を聞いたところ(複数回答)、「非常時(感染症、自然災害、猛暑等)の事業継続対策」が83.4%と最も高く、次いで「柔軟な働き方への対応」(64.7%)、「育児・介護中の従業員への対応」(41.9%)、「従業員の通勤時間、勤務中の移動時間の削減」(37.8%)、「生産性の向上」(25.3%)、「従業員のエンゲージメント向上のため」(22.9%)、「人材の確保(20.3%)」と続いている。
導入目的としては、働き方改革への対応のイメージが強いが、実際には「非常時の事業継続対策」のために導入していることが明らかとなった。東京都は的確な施策展開の一助とするためにこのようなアンケート調査を行っているので、ぜひとも参考にしたい。
テレワークを「導入している」と回答した企業に対し、テレワークの導入目的を聞いたところ(複数回答)、「非常時(感染症、自然災害、猛暑等)の事業継続対策」が83.4%と最も高く、次いで「柔軟な働き方への対応」(64.7%)、「育児・介護中の従業員への対応」(41.9%)、「従業員の通勤時間、勤務中の移動時間の削減」(37.8%)、「生産性の向上」(25.3%)、「従業員のエンゲージメント向上のため」(22.9%)、「人材の確保(20.3%)」と続いている。
導入目的としては、働き方改革への対応のイメージが強いが、実際には「非常時の事業継続対策」のために導入していることが明らかとなった。東京都は的確な施策展開の一助とするためにこのようなアンケート調査を行っているので、ぜひとも参考にしたい。
58%の企業がテレワークを導入
今回の調査では、従業員30人以上の企業におけるテレワークの導入率は58.0%であった。これまでの都の調査で導入率の推移を見てみると、2017年は6.8%、2018年は19.2%、2019年は25.1%と伸び悩んでいたのが新型コロナウイルスで非常事態宣言が発出されたことにより2020年は57.8%と倍増した。そして2021年の65.7%をピークに以降は漸減傾向に転じ、前回は60.1%、そして今回は6割を下回ったことから、「新型コロナウイルスは収束、これからは経済活動優先」という多くの経営者の意識が調査結果に現れたのかもしれない。
従業員規模別でみると導入状況に差が出ており、企業の規模が大きいほど導入率は高い。従業員1,000人以上では75.2%、300~999人では64.3%、100~299人では60.9%、30人~99人では53.7%であった。
従業員規模別でみると導入状況に差が出ており、企業の規模が大きいほど導入率は高い。従業員1,000人以上では75.2%、300~999人では64.3%、100~299人では60.9%、30人~99人では53.7%であった。
課題は、「社内コミュニケーションの減少」が約7割
テレワークを「導入している」と回答した企業に対し、テレワーク導入後の課題(デメリット)を聞いたところ(複数回答)、「社内コミュニケーションの減少」が69.4%と最も高く、次いで「利用できる従業員と利用できない従業員との間に不公平感が生じる」(56.5%)、「従業員の勤務状況の把握」(52.9%)が続いている。
テレワークの実施方針を聞いたところ、「週○日、出社率○%などテレワークの目安を設定している」が28.3%で最も高く、次いで「やむを得ない場合(非常時、家庭事情、感染症等)に実施」が24.9%となっており、「原則テレワーク」という企業はわずか4.1%に過ぎない。
テレワークをしている当事者の声も紹介しよう。同調査の従業員アンケートによると、過去1年間にテレワークを実施したことがあると回答した従業員に、テレワークで実施している仕事を聞いたところ(複数回答)、「メールチェック」が64.0%で最も高く、次いで「資料・報告書等の企画・作成」(63.9%)、「総務業務(人事・労務・広報・その他庶務事務等)」(47.6%)、「テレビ会議・WEB会議(報告・連絡・相談等)」(46.5%)、「インターネットなどからの情報収集」(41.4%)が続いている。
なお、テレワークのメリットは、「通勤時間・移動時間の削減」(88.3%)、「感染症(新型コロナウイルス・インフルエンザ等)対策として有効」(52.2%)、一方、テレワークを実施してみての課題は、「社内のコミュニケーションに支障がある」(47.8%)、「勤務時間とそれ以外の時間の管理」(27.5%)がおもな回答であった(いずれの項目も複数回答)。
テレワークの実施方針を聞いたところ、「週○日、出社率○%などテレワークの目安を設定している」が28.3%で最も高く、次いで「やむを得ない場合(非常時、家庭事情、感染症等)に実施」が24.9%となっており、「原則テレワーク」という企業はわずか4.1%に過ぎない。
テレワークをしている当事者の声も紹介しよう。同調査の従業員アンケートによると、過去1年間にテレワークを実施したことがあると回答した従業員に、テレワークで実施している仕事を聞いたところ(複数回答)、「メールチェック」が64.0%で最も高く、次いで「資料・報告書等の企画・作成」(63.9%)、「総務業務(人事・労務・広報・その他庶務事務等)」(47.6%)、「テレビ会議・WEB会議(報告・連絡・相談等)」(46.5%)、「インターネットなどからの情報収集」(41.4%)が続いている。
なお、テレワークのメリットは、「通勤時間・移動時間の削減」(88.3%)、「感染症(新型コロナウイルス・インフルエンザ等)対策として有効」(52.2%)、一方、テレワークを実施してみての課題は、「社内のコミュニケーションに支障がある」(47.8%)、「勤務時間とそれ以外の時間の管理」(27.5%)がおもな回答であった(いずれの項目も複数回答)。

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/