介護費用の負担を減らすために知っておきたい制度
2026.05.21
前回(No.5026)は、介護離職を防いで仕事と介護の両立を目指すための、介護保険制度の仕組みや「介護休業給付金」についてお伝えしました。今回は介護費用の負担を軽減するための制度について解説します。
介護サービスにかかる利用料は?
介護保険制度により、介護サービスを利用した場合の利用者負担は、介護サービスにかかった費用の原則1割です(一定以上所得者の場合は2割または3割)。例えば、1万円分の介護サービスを使った場合に支払う費用は1,000円です(2割の場合は2,000円、3割の場合は3,000円)。
受けられるサービスは、訪問介護などの自宅生活をサポートするサービスや通所して入浴や食事などの介護を受ける「居宅サービス」、特別養護老人ホームなどの施設で入浴や食事などの介護を受ける「施設サービス」などがあります。利用者負担割合は下記の通りです。
受けられるサービスは、訪問介護などの自宅生活をサポートするサービスや通所して入浴や食事などの介護を受ける「居宅サービス」、特別養護老人ホームなどの施設で入浴や食事などの介護を受ける「施設サービス」などがあります。利用者負担割合は下記の通りです。
なお、デイサービスのレクリエーションにかかる実費、介護保険の支給限度額を超えた分などについては、公的介護保険の対象外サービスとなりますので注意が必要です。
限度額を超えた分は払い戻しの対象
医療費には1か月の負担を一定額に抑えることができる「高額療養費制度」があります。同様に、1か月に負担する介護サービス利用料も、所得区分に応じて限度額が決まっています。
限度額を超えた分は申請により払い戻し(高額介護サービス費)を受けることができます。令和3年8月から見直された高額介護サービス費の負担限度額は、下記の通りです。
限度額を超えた分は申請により払い戻し(高額介護サービス費)を受けることができます。令和3年8月から見直された高額介護サービス費の負担限度額は、下記の通りです。
表中の(世帯)は、同じ世帯で介護サービスを利用した人全員分を合計したときの限度額です。限度額を超えた場合は対象者に通知されますので、その内容にもとづき申請します。2回目からは申請をしなくても登録した口座に振り込まれます。なお、実際に支払われるのは、対象となるサービス利用月の3~4か月後です。
また、利用者負担額の場合と同様に、公的介護保険の対象外サービス等は支給対象にならないことに注意が必要です。
また、利用者負担額の場合と同様に、公的介護保険の対象外サービス等は支給対象にならないことに注意が必要です。
医療費と介護費を合算して自己負担を軽減する制度も
こうした制度を利用しても、長期にわたって医療費や介護費がかかると、家計への負担は大きくなります。そのような時は、毎年8月から翌年7月までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担額を合算して自己負担を軽減する「高額介護合算療養費制度」が利用できます。
限度額は所得区分に応じて決まっており、自己負担限度額を超えた金額は、医療保険及び介護保険の比率に応じて両方の制度から払い戻されます。高額介護サービス費と同様に、対象となる人には「支給申請書」が郵送されてきます。
限度額は所得区分に応じて決まっており、自己負担限度額を超えた金額は、医療保険及び介護保険の比率に応じて両方の制度から払い戻されます。高額介護サービス費と同様に、対象となる人には「支給申請書」が郵送されてきます。
利用できる支援を活用して費用負担を軽減
介護の負担を軽減するためのさまざまな制度が用意されています。家族の介護が必要になったときは、悲観することなく、少しでも負担を減らせるように情報を集めて、早めに行動することが大切です。自分が利用できる支援の内容や利用方法を確認し、積極的に活用しましょう。

岡﨑 一恵(おかざき・かずえ)
社会保険労務士岡崎一恵事務所 代表
社会保険労務士
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者
滋賀県大津市出身。同志社大学卒業後、地方銀行の人事部に勤務。
子育てのブランク9年と、紆余曲折の後、社会保険労務士として2018年開業。
2021年CFP®認定者として登録、2023年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2024年日本FP協会FP広報センタースタッフを務める。
NPO法人障害年金支援ネットワークに所属。
地元横須賀の中小企業の労務管理と、障害年金代理請求業務、障害年金を受給されるご家庭のライフプラン相談に取り組む。
公式サイト https://www.okazakikazue.net/
社会保険労務士
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者
滋賀県大津市出身。同志社大学卒業後、地方銀行の人事部に勤務。
子育てのブランク9年と、紆余曲折の後、社会保険労務士として2018年開業。
2021年CFP®認定者として登録、2023年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2024年日本FP協会FP広報センタースタッフを務める。
NPO法人障害年金支援ネットワークに所属。
地元横須賀の中小企業の労務管理と、障害年金代理請求業務、障害年金を受給されるご家庭のライフプラン相談に取り組む。
公式サイト https://www.okazakikazue.net/








