まだまだ続く食品値上げラッシュ、どのように対処する?

飯田 道子
2025.05.19

 物価上昇の終わりが見えないと実感している人は多いのですが、2025年5月の「食品主要195社」の価格改定動向を確認し、どのように対処していくべきか考えてみましょう。
調味料や加工食品も軒並み値上げ!
 帝国データバンクが発表した「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2025年5月」によると、ハムやソーセージなど食肉加工食品などの加工食品137品目を中心に、5月には飲食品が合計478品目値上げされることになりました。

 調査結果を見ると、2025年通年の値上げ(10月までの公表分)における食品分野別での上位は、カレールウなどの香辛料製品やだし製品などの「調味料」が4904品目。冷凍食品やパックごはんなどの「加工食品」が3685品目。清酒やビール、清涼飲料水など「酒類・飲料」が2759品目です。直近の6月~7月だけ見ても1000品目超の飲食料品値上げが予定されています。

 値上げとなる理由としては、原材料価格高騰、光熱費の上昇、人手不足、流通コストの上昇と言われていますが、家計を預かる人にとっては、頭の痛い問題となってしまいそうですね。
家族構成やライフスタイルによって節約の仕方を考えてみよう
 食品が値上げになったと聞くと、できるだけ手作りすることを考える人も多いのではないでしょうか? とはいえ、加工食品は忙しい現代に暮す私たちにとって、活用したい食材でもあります。

 ただし、やみくもに手作りをしても食材そのものが高騰しているため、手作りをしたことにより材料費+時間を費やす結果となるため、かえってコストが増えてしまう可能性があります。そこで考えて欲しいのが、家族構成によって節約方法を変えるというものです。

 シングル世帯の場合、加工食品を購入したり、外食をしたとしても、食材を無駄にしない、自由な時間を確保できるという観点から、食材を購入して料理をするときよりも節約になることも少なくありません。「手作り=節約」ではない点に注意しましょう! またクーポンなどを活用し、割引価格で外食をするというのもアリなのではないでしょうか?

 二人以上世帯の場合、料理時間の短縮として加工食品を購入するのはアリだと思いますが、加工食品ばかりでは栄養的にも良くありませんし、量が増えればコスト高になってしまう可能性もあります。そこで、いくらまで加工食品を購入して良いのかをあらかじめ予算立てをし、食卓から加工食品の割合を減らすことを考えても良いでしょう。

 いずれの世帯にも言えることですが、スーパーのタイムセールに合わせて買い物をする、底値買いを意識することも大切なことですので、実践してみては?!
節約レシピを活用しよう
 WEBやSNSには節約レシピや時短料理が多くアップされています。高額な野菜を手頃な野菜に代替えして作るレシピ等もありますので、一度覗いてみましょう。思わぬ発見があるかもしれません。

 食品に限らずあらゆるもので物価の上昇が見込まれている今は、発想の転換が必要なのかもしれませんね。
参照:
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)

 金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
 海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。

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