M&Aでの資金シミュレーションの重要性と資金調達方法

山崎 美穂
2025.05.22

M&Aで資金不足とならないようシミュレーションを
 事業拡大や他地域進出といった事業戦略で、M&A(第三者承継)をご検討の方もいらっしゃることだろう。一から事業を興すよりも、既に顧客・取引先・設備・技術・従業員などが揃っている事業を譲り受けるということに、大変魅力を感じる方が多いのではないだろうか。

 お相手探しの際、運命の出会いともいえるお相手とめぐり合うことができたとしても、円満なM&Aとなるよう是非行って頂きたいのが、出費のシミュレーションと資金調達の検討である。
M&A、出費のシミュレーションはお済ですか?
 M&Aでは譲渡時の出費に目がいってしまうが、M&A後にもまとまった資金が必要となることが間々ある。

 譲渡時の出費としては、株式や事業の買取資金やM&A支援を依頼したM&A専門業者への費用の支払いが大きなウエイトを占める。登記の変更を司法書士へ依頼するのであれば、事務手続き関連でも費用が発生することだろう。

 ケースによっては、M&A後に既存事業との統合に必要な設備投資や、老朽箇所の改修などの出費も必要となる場合がある。

 また、従業員がいる場合には賃金の支払い、システム利用料や取引先への支払いがある場合についても、当面の運転資金として数か月分は必要資金の内訳に入れておきたい。

 細々した出費(挨拶回りや統合のために統合先事務所に赴く際の旅費や宿泊費、挨拶状の作成など)がかさむことも想定すると、余裕を持った資金のシミュレーションが理想的ではないだろうか。
M&Aで使える資金調達方法
 M&A関係の融資として日本政策金融公庫の【事業承継・集約・活性化支援資金】がある。
中小企業事業 国民生活事業
利用対象 中小企業の方向け 個人企業・小規模事業者の方向け
融資限度額 14億4,000万円 別枠7,200万円(うち運転資金4,800万円)
融資期間 設備資金20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金10年以内(うち据置期間5年以内)
 日本政策金融公庫の事業承継・集約・活性化支援資金の融資実績は2020年度以降増加しており、2020年度が約241億円であったのに対し、2023年度は約414億円と大幅に伸びている。

 また、2024年には融資限度額が7.2億円から14.4億円に増額、運転資金の貸付期間を7年から10年に延長するなど、拡充が実施されている。

 詳しい内容は日本政策金融公庫の窓口までお問い合わせ頂きたい。
参照:
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
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