公的介護保険でレンタル可能な電動車椅子の機能と注意点
2025.06.02
加齢や障害などにより歩行が困難となった人が外出する際、電動車椅子を利用するケースもあります。公的介護保険の要介護度等によってはレンタルも可能な電動車椅子について、機能と注意点を確認しましょう。
カーブや下り坂での自動減速機能も
電動車椅子には、利用者本人がレバー状のジョイスティックで操縦する「ジョイスティック型(標準型・簡易型)」と、ハンドルで操縦する「ハンドル型」があります。前者は主に身体に障害のある人、後者は主に足腰が弱くなった高齢者に利用されています。
主な機能としては、ジョイスティックやハンドル近辺のレバー操作による前進/後進、ダイヤル操作による速度調節、カーブや下り坂での自動減速などがあります(製品によって機能は異なります)。
電動車椅子のレンタル料は1か月あたり2万円~3万円となることが多く、介護保険制度を利用できれば自己負担割合にしたがって負担額が軽減されます。
電動車椅子のレンタル料は1か月あたり2万円~3万円となることが多く、介護保険制度を利用できれば自己負担割合にしたがって負担額が軽減されます。
電動車椅子による事故の例
介助者がいなくても移動できる電動車椅子は、非常に便利なものです。しかし操作ミスや悪路走行、誤使用などを原因として、以下のような事故も報告されています。
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緩やかなカーブを走行中、誤って傾斜した路肩に侵入し側溝へ転落。
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舗装されていない道を走行中、路肩に寄りすぎて水田へ転落。
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下り坂で速度調節ダイヤルを低速としておらず、カーブを曲がり切れず転倒。
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下り坂でクラッチレバー(電動走行と手動走行を切り替える装置)を解除して止まれなくなる。
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踏切内でバッテリーが切れて停止し、電車と接触。
また、電動車椅子は道路交通法上の「歩行者」として扱われます。歩行者用信号に従わず車道を横断したり、歩道ではなく車道を走行したりすることで事故となった例も報告されているため、交通ルールの理解も重要です。
利用の際には走行中の安全確認を怠らないことはもちろん、「販売店・レンタル事業者から正しい使用方法の講習を受ける」「地域の安全講習会へ積極的に参加する」「乗車前にはバッテリー残量など日常点検を行う」といった基本を押さえることが、電動車椅子による事故防止のポイントとなります。
利用の際には走行中の安全確認を怠らないことはもちろん、「販売店・レンタル事業者から正しい使用方法の講習を受ける」「地域の安全講習会へ積極的に参加する」「乗車前にはバッテリー残量など日常点検を行う」といった基本を押さえることが、電動車椅子による事故防止のポイントとなります。