事業場でのストレスチェック、義務化へ
2025.06.09
零細企業には大きな負担になることが明らか
労働者のストレス状態を調べる「ストレスチェック」について、これまでは従業員50人以上の事業場に対して年に1回のストレスチェックの実施を義務付け、50人未満の事業場は当分の間努力義務とされていた。
しかし、この5月8日に衆議院で「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が可決・成立したことにより、ストレスチェック実施が義務付けられる対象は全事業場に拡大することになった。施行の時期は、公布から3年以内の政令で定める日となっている。
昨今、仕事が原因でメンタルヘルスが不調になる人が増えていることから、これまで「努力義務」だった従業員50人未満の中小企業にもストレスチェックの実施を義務付けた意義は理解できるが、零細企業にとって負担は大きいし、プライバシーへの配慮も難しい。産業医と契約していない企業も多く、実施後の対応に不安が残る。今回はストレスチェック制度の概要について基本的な確認事項も含めてまとめておく。
しかし、この5月8日に衆議院で「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が可決・成立したことにより、ストレスチェック実施が義務付けられる対象は全事業場に拡大することになった。施行の時期は、公布から3年以内の政令で定める日となっている。
昨今、仕事が原因でメンタルヘルスが不調になる人が増えていることから、これまで「努力義務」だった従業員50人未満の中小企業にもストレスチェックの実施を義務付けた意義は理解できるが、零細企業にとって負担は大きいし、プライバシーへの配慮も難しい。産業医と契約していない企業も多く、実施後の対応に不安が残る。今回はストレスチェック制度の概要について基本的な確認事項も含めてまとめておく。
ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度とは、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものであり、その一連の流れ全体のことを指す。
ストレスチェックは、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるかを調べる簡単な検査となっている。何を使えばよいか分からない場合は、国が推奨する57項目の質問票があるのでこれを使うといい。ITシステムを利用したオンラインでの実施も可能だ。
対象となる労働者は正社員に加え、1年以上の雇用継続が見込まれ、所定労働時間が正社員の4分の3以上のパートタイム労働者も対象となる。労働者はストレスチェックを受けることは義務ではないが全員が受けることが望ましく、受検しない労働者には受検勧奨するように厚生労働省の導入ガイドでは案内している。
ストレスチェックは、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるかを調べる簡単な検査となっている。何を使えばよいか分からない場合は、国が推奨する57項目の質問票があるのでこれを使うといい。ITシステムを利用したオンラインでの実施も可能だ。
対象となる労働者は正社員に加え、1年以上の雇用継続が見込まれ、所定労働時間が正社員の4分の3以上のパートタイム労働者も対象となる。労働者はストレスチェックを受けることは義務ではないが全員が受けることが望ましく、受検しない労働者には受検勧奨するように厚生労働省の導入ガイドでは案内している。
労働者から申出があれば、医師による面接指導を実施
ストレスチェックの結果は、実施した医師等から、労働者本人に直接通知される。労働者本人の同意を得ることなく、企業への結果提供をすることはできないことになっている点が重要なポイントである。
ストレスチェックの結果、高ストレスと評価された労働者本人から面接指導の申出があった場合、会社は医師による面接指導を実施しなければならない。高ストレスと評価されても労働者本人からの面接指導の申出の希望がなければ、そのままなので今後も課題は残る。企業側が導入の際にどれだけ丁寧にストレスチェックの重要性を労働者に説明できるかがポイントになるだろう。
いずれにしてもストレスチェック制度は労働者の個人情報が適切に保護され、不正な目的で利用されないようにすることで、労働者も安心して受けられ、適切な対応や改善につなげられる仕組みである。ストレスチェックの結果を一定規模の集団(部、課、グループなど)ごとに集計・分析することは努力義務となっている。その分析データを踏まえて対応することができれば職場環境改善につなげることができるので、ぜひとも有効活用していきたいところだ。
ストレスチェックの結果、高ストレスと評価された労働者本人から面接指導の申出があった場合、会社は医師による面接指導を実施しなければならない。高ストレスと評価されても労働者本人からの面接指導の申出の希望がなければ、そのままなので今後も課題は残る。企業側が導入の際にどれだけ丁寧にストレスチェックの重要性を労働者に説明できるかがポイントになるだろう。
いずれにしてもストレスチェック制度は労働者の個人情報が適切に保護され、不正な目的で利用されないようにすることで、労働者も安心して受けられ、適切な対応や改善につなげられる仕組みである。ストレスチェックの結果を一定規模の集団(部、課、グループなど)ごとに集計・分析することは努力義務となっている。その分析データを踏まえて対応することができれば職場環境改善につなげることができるので、ぜひとも有効活用していきたいところだ。

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/