座りすぎが寿命を縮める?長寿国・日本に潜む“静かなリスク”

高橋 浩史
2025.09.04

日本人は「座りすぎ」?その実態とは
 厚生労働省から、令和6年の簡易生命表が公表されました。それによると、日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は男性81.09歳、女性87.13歳と高い水準を維持しています。

 とはいえ、長く生きるだけでなく健康に生きる「健康寿命」の大切さが問われる今、私たちの生活習慣の中に潜むリスクにも目を向ける必要があります。

 そのひとつが「座りすぎ」です。日本人は日常的に長時間座って過ごす傾向があり、それが健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

 厚生労働省が実施した「国民健康・栄養調査(平成25年)」によれば、平日に8時間以上座っている成人の割合は、男性で約38%、女性で約33%にのぼります。特にデスクワークが中心の職種では、仕事中のほとんどを座って過ごす人も少なくないでしょう。

 長時間の座位は、消費エネルギーが低く、血流の悪化や代謝の低下を引き起こしやすい状態です。しかも、仕事・食事・移動・娯楽と、現代人の生活は意識しなければ自然と座って過ごす時間が長くなりがちです。
座りすぎがもたらす健康リスクと、すぐできる対策
 長時間の座位に対する健康への影響について、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、「2型糖尿病、運動器障害などの健康リスクを高める」「座位時間の増加に伴い死亡リスクが増加することが報告されている」と指摘しています。

 こうしたリスクを減らすためには、長時間の座位を避け、30分に1回は立ち上がる、軽く体を動かすなどの行動が推奨されています。以下は、今日からできる簡単な対策の例です。
デスクワークでは、作業中にタイマーをセットして30~60分ごとに立ち上がる
昼休みに数分間のストレッチや軽い散歩を取り入れる
昼休みに数分間のストレッチや軽い散歩を取り入れる
スタンディングデスクや昇降式デスクを活用する
 これらの小さな行動の積み重ねが、健康寿命の延伸につながるではないでしょうか。私たちの長寿を支えるためには、「健康に生きる」ための習慣づくりが不可欠です。日々の座りすぎを見直し、こまめに体を動かすことが、未来の健康につながります。まずは、自分がどれくらい座っているかを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考・出典:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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