中小M&A市場改革プラン(2025年8月)の方向性について

山崎 美穂
2025.09.18

M&Aの更なる普及に向けて検討されいていること
 中小企業庁は、中小企業全体におけるM&Aの浸透・実現に向けた不安の解消や理解の醸成を図っていく必要があるとして、促進するための施策について「中小M&A市場改革プラン」を2025年8月に取りまとめ発表した。

 今後の施策の方向性について解説していく。
M&Aに対する不安を軽減するスキームの検討・普及
 不適切な買手との間でトラブルに発展する例がニュースで取り上げられており、中小企業庁でも注意喚起が行われたのは記憶に新しい。同庁では「M&Aに関するトラブルにご注意ください。」というチラシを作成、配布している。その電子媒体(PDF)は以下のWebサイトからダウンロードできる。
 今回の施策「中小M&A市場改革プラン」にも上記対応策が盛り込まれており、もしM&A成立後に売手の経営者保証解除・移行で、買手が不履行等の契約の違反が認められた場合、対応するための条項が新設等されることが検討されている。

 具体的には、売手側の意思で対象事業等を買戻し可能とする条項の新設、併せて、買戻しに伴う損害補償条項の設置も考えられている。
M&A成立後の契約違反に対応するための条項のイメージ
出典:
中小企業庁 中小M&A市場改革プラン 4.中小M&A市場改革に向けた今後の施策の方向性 図表50
不明瞭部分へメス
 上記以外にも検討されている施策が多数あるが、そのうちの2つを抜粋の上、概要をお伝えする。
<譲渡対価の相場を把握するツールを公表し、相場観を醸成をしていくべき>
 M&Aにおける譲渡対価の算出にはいくつもの評価手法があり、評価手法ごとに特徴がことなることから、複数の評価手法を用いて比較考慮することが望ましいとされている。このことから、財務状況や業種ごとの譲渡対価の相場(参考値)を把握するツールの公表が検討されている。
<M&Aアドバイザー個人の知識・スキルに係る資格制度の創設>
 アドバイザー個人レベルでの質の担保・倫理観の浸透を図る観点から、試験への合格、倫理規定の遵守、定期的な講習の受講等を要件とした中小M&Aアドバイザー登録制度の創設が検討されている。
 上記情報は、現在検討段階の情報となる。今後、最新情報が入り次第お伝えしていく。
参照:
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
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