投資詐欺にあわないための6つのポイント

森田 和子
2025.10.09

 FPとして受けるご相談の中では、資産運用についても聞かれます。安全・確実に大儲けできる方法はないので、「『絶対に儲かる』は詐欺だと思ってください」とお伝えしています。詐欺の手口も巧妙化しているようなので、私自身も日頃から気をつけていくことが必要だと思っています。政府広報から「投資詐欺を見破る6つのポイント」が紹介されているので確認していきましょう。
投資詐欺のよくある手口
 今は誰もが詐欺に気を付けているはずです。それでも、ありそうな話に思えて信じてしまい、いつの間にか騙されてしまいます。以下は最近のよくある手口です。
近々証券取引所に上場する予定なので、今のうちに買って上場後に高値で売れば差額が儲けになる、といった「未公開株」にかかわるもの
ある開発途上国の通貨を安価な今のうちに買っておき、経済成長によって値上がりしたところで売れば儲かる、といった「外国通貨」にかかわるもの
話題となっているキーワードに関連して、発電設備を設置する土地の権利や、新技術に関する知的財産権などへの投資を勧誘する「権利」にかかわるもの
プロ投資家向けに販売・運用が行われる「プロ向けファンド」をうたい、悪質事業者がかかわるもの
 これらに加えて、悪質業者の一味が別々の登場人物を演じて、一人の消費者を騙しにかかる「劇場型」と呼ばれる手口が併用されることがあります。
投資詐欺を見破る6つのポイント
 劇場型の投資詐欺などに一旦乗せられてしまうと、冷静な判断力を保つことが難しくなります。投資の話を持ち掛けられたときなどには、以下の投資詐欺を見破るポイントをチェックしてみてください。
(1)
聞いたことのない業者から勧誘されている
金融庁の登録を受けていない事業者が勧誘することは、違法の可能性があります。
(2)
「上場確実」「必ず儲かります」「元本は保証されています」などと請け合う
株式、債券、投資信託などは、経済状況などに応じて、収益が出なかったり元金を割り込んだりする可能性があります。
(3)
「未公開株」や「私募債(しぼさい)」の取引を勧誘されている
一般的に、幅広い投資家に未公開株や私募債の取引を勧誘されることは、考えられません。
(4)
X社の株式・社債の購入を勧誘された後、別の業者からタイミングよく連絡があり、「その株は必ず値上がりする」「その株を買ってくれたら、後日高値で買い取る」などと勧誘されている
投資詐欺によくみられる手口です。
(5)
業者が「金融庁(またはその他の公的機関)から、認可・許可・委託・指示などを受けている」と説明している
投資詐欺によくみられる手口です。公的機関はそのようなことを行いません。
(6)
金融庁や財務省財務局、消費者庁や消費生活センター、証券取引等監視委員会などの公的機関や、それらを連想させるような名称を使っている
公的機関のウェブサイトなどで、正しい名称を確認しましょう。
 金融庁ウェブサイトでは、事業者ごとに受けている免許・許可・登録等の種類を確認できます。また、無登録で金融商品取引業を行っているとして、金融庁が警告書を発出した事業者も確認できます。

 投資に関する困りごとがあるときは、金融庁の「金融サービス利用者相談室」に相談することができます。相談料は無料で、相談した人のプライバシーは守られます。トラブルにあってしまった場合には、ひとりで悩まずに相談してみましょう。
【金融サービス利用者相談室】
電話での受付 電話番号:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)平日10:00から17:00
ファクスでの受付 ファクス番号(高齢者・障害者専用):03-3506-6699
ウェブサイトでの受付 https://www.fsa.go.jp/opinion/
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
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