住宅ローンの審査③
2025.11.17
住宅ローンが通らない理由、前回(No.4936)は申込人の家計状況等を主に説明しました。今回は購入物件の問題について説明します。住宅ローンの審査が通らない理由、物件の問題として良くあるのは下記のケースです。
イ.
建物の再建築が難しい土地
市街化調整区域の土地、土地が一定以上の道路に面していない土地など、再建築が難しい土地では審査で断られる可能性が高くなります。
市街化調整区域の土地、土地が一定以上の道路に面していない土地など、再建築が難しい土地では審査で断られる可能性が高くなります。
ロ.
法的に不適合な建物
建築基準法に不適合な物件は融資が困難です。
建築基準法に不適合な物件は融資が困難です。
上記は、金融機関に相談する前から想定できるかと思います。一方、特別思い当たる節がないにも関わらず、物件上の問題で謝絶または減額される、というケースもあります。それらは、次のような事由が考えられます。
①担保評価が取得価額に満たない
金融機関では、独自に土地と建物を評価します。金融機関が評価した評価額が取得価額に満たなければ、ローンの減額などを提示されることになります。
土地については金融機関もある程度正確に評価できますが、建物は仕様等により、かなり価額にバラツキがあり、新築の場合は適切な価額であれば問題になることは少ないはずです。しかし、中古住宅では金融機関の評価額との差額が大きければ、ローンの減額……ということも考えられます。
余談ですが、融資額を増やすために金額を水増しした請負契約書を金融機関に提出した場合、もし発覚すれば、本審査通過後でも契約違反として融資取り消しになる可能性が高いです。融資実行後でも、最悪全額の一括償還の可能性もあるので注意してください。
土地については金融機関もある程度正確に評価できますが、建物は仕様等により、かなり価額にバラツキがあり、新築の場合は適切な価額であれば問題になることは少ないはずです。しかし、中古住宅では金融機関の評価額との差額が大きければ、ローンの減額……ということも考えられます。
余談ですが、融資額を増やすために金額を水増しした請負契約書を金融機関に提出した場合、もし発覚すれば、本審査通過後でも契約違反として融資取り消しになる可能性が高いです。融資実行後でも、最悪全額の一括償還の可能性もあるので注意してください。
②著しく流動性が低い物件
物件そのものに問題がなく、価額が適切であったとしても、土地の立地や広さ等で、いざ売却しようとしても買主を見つけるのが困難な土地などが該当します。例として、繁華街で周辺がオフィスビルや高層マンションに囲まれた地域は、戸建て住宅を考える人は少ないでしょう。戸建て住宅しか建築できない狭い土地であれば買い手が非常に見つかりづらいということが考えられます。また、戸建ての住宅地であっても著しく広い土地、マンション用地としては考えられない立地であれば、土地を分筆しなければ買い手も見つからないでしょう。
このような土地は金融機関にとって、返済が困難かつ売却も難しいとされ、融資に慎重になることも考えられます。建物の場合は、著しく奇抜なデザインなどは、買い手が見つからない可能性が高く、同様の結果となることも考えられます。
このような土地は金融機関にとって、返済が困難かつ売却も難しいとされ、融資に慎重になることも考えられます。建物の場合は、著しく奇抜なデザインなどは、買い手が見つからない可能性が高く、同様の結果となることも考えられます。
まとめ
金融機関は担保にする物件として、売却しやすい、すなわち流動性の高い物件を好みます。たとえ法的に問題がない物件であっても、周辺環境から大きく外れる物件は金融機関から好まれない場合があります。もちろん、これは全てのケースで……とはいえませんが、住宅取得の際には、これらのことも注意してみてください。

有田 宏(ありた ひろし)
NPO法人北海道未来ネット代表理事
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、金融機関勤務を経て、現在はNPOとして主に消費者向けの相談や講演などを行っております。
金融、相続、住宅ローンに詳しく、それぞれのクライアントの価値観を尊重したアドバイスを心がけております。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、金融機関勤務を経て、現在はNPOとして主に消費者向けの相談や講演などを行っております。
金融、相続、住宅ローンに詳しく、それぞれのクライアントの価値観を尊重したアドバイスを心がけております。






