見逃せない熱中症の症状とリスク指標

栗原 賢二
2026.06.18

 最近は6月に気温30度を超えることも珍しくなく、本格的な夏に向けて、熱中症への警戒が強まるシーズンとなりました。熱中症は誰にでも起こりうる身近なリスクです。近年の傾向や具体的な症状についておさらいしましょう。
重症化する前の対処が大切
 令和6年の熱中症による死亡者数は2,160人で、その10年前(平成26年)の529人のほぼ4倍です。もちろんこの数字は年によって増減しますが、ここ数年は死亡者数が1,000人を超える年も多く、増加傾向です。

 世界的な気温上昇により、熱中症のリスクは今後もさらに高まっていくことが予想されます。各自が自覚症状を見逃さず、早めの対処を行うことが求められますが、そのためにはどのような症状が現れるかを事前に確認することが大切です。

 日本救急医学会の『熱中症診療ガイドライン2024』では、熱中症の重症度をⅠ度からⅣ度までの4つに分類しています。重症度と必要な措置、主な症状は以下の通りです。
熱中症の重症度と主な症状
分類 重症度 主な症状
Ⅰ度 軽症
現場での応急処置が可能
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
Ⅱ度 中等症
病院への搬送が必要
頭痛、吐き気・おう吐、力が入らない、体がぐったりする、集中力や判断力の低下
Ⅲ度 重症
入院が必要、集中治療を考慮
けいれん、歩けない、刺激への反応がおかしい
Ⅳ度 重症
早急な集中治療が必要
意識がなくなる、高体温
 これらの症状を自覚したら、たとえ軽度でも「まだ大丈夫」と我慢せず、涼しい場所への避難など必要な対処を取ることが大切です。重症化するにつれて意識が低下し、自力での対処や周囲へ助けを求めることが難しくなる点にも留意しましょう。
暑さ指数や警戒アラートの動向をチェック
 熱中症のリスクを表す指標の一つとして、環境省から公表される「暑さ指数(WBGT)」があります。暑さ指数は気温・湿度・日射・風といった要素をもとに算出され、28以上になると救急搬送の発生率が高まり、31以上になると危険な暑さと言われています。

 暑さ指数を踏まえ、極めて危険な状況が予想されると、気象庁と環境省から共同で「熱中症警戒アラート」が発表され、以下の行動を取ることが推奨されています。
室内等の涼しい環境で過ごす
こまめな休憩や水分補給・塩分補給をする
高齢者や乳幼児等は熱中症にかかりやすいので特に注意
周囲の人にも声がけをする
 これらは熱中症予防の基本的な行動です。暑さ指数や警戒アラートの動向をチェックしながら適切に対処しましょう。リスクを感じた時は外出の予定を取りやめるなど、慎重な姿勢も身を守るカギとなります。
参照:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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