すべて本音での回答は、わずか1割

庄司 英尚
2026.07.06

「本音ではない」「回答していない」等を含めた本音遮断層は約3割
 組織改善プラットフォームを提供する株式会社yellbaは、全国の企業の正社員463名を対象に「社員の声と組織に関する意識」についてインターネット調査を実施した。

 調査結果によると、多くの企業で実施されているエンゲージメントサーベイや面談において、「すべて本音で答えている」社員はわずか約1割(10.8%)にとどまった。「本音ではない」「回答していない」等を含めた本音遮断層は約3割(34.3%)を占め、これに「どちらともいえない」(23.1%)と答えた本音保留層を合わせた約6割(57.4%)が本音での回答を抑制している実態が明らかになった。
本音を言えない職場ではネガティブ投稿をした・したい人が多い!?
 心理的安全性が低い職場(本音を言えない職場)では、SNSや口コミサイト等にネガティブな内容を投稿した経験・意向がある層が45.5%にのぼった。これは心理的安全性が高い層(14.9%)と比較して約3倍の水準となっている。

 本音を言えない職場では、現代においては、社内で表明されなかった本音は沈黙したまま消えていくわけではなく、制御不能な社外チャネルへ流出する要因が生まれ、それによって採用力や企業ブランドを毀損させるリスクを内包することになり、放っておけば組織の持続可能性を揺るがすことになりかねない。
社員の本音にいかに向き合うかが問われる時代に
 また心理的安全性が低い層の特徴として、12か月以内に退職を検討している割合が38.6%もあり、心理的安全性が高い層の21.6%と比較して約1.8倍となっていた。社員が本音を言えない状態は、単なるコミュニケーションの問題にとどまらず、人材定着率の低下という経済的損失にも直結している。

 この調査結果から見えてくるのは、「社員の声を軽視すると、不満がSNSや口コミサイトで拡散され、企業イメージや採用活動に長期的な悪影響を及ぼすが、その一方で、社員の声に誠実に向き合い、安心して本音を話せる環境を整えることは、離職防止や強固なエンゲージメントの醸成、変化に強い組織力を作り上げるための重要な投資となる」ということだ。経営陣はこのような調査結果を参考にしながら、自社の従業員と意見交換したりする機会を設けるのも良いのでないだろうか。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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