40代・50代の「ねんきん定期便」とのつきあい方
2026.07.06
40代までの「ねんきん定期便」とのつきあい方
前回まで2回にわたり「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」について、年金見込額や年金額試算を中心にお伝えしてきました。
とはいえ、50歳未満の皆さんにとって年金はまだまだ遠い先の話なので、「ねんきん定期便」に関心がない方も少なくないと思います。「ねんきん定期便」にはこれまでの保険料納付額や年金加入期間、これまでの加入実績に応じた年金額などが記載されているのですが、こうした数字を見ても、「こんなに保険料が引かれていたのか。それなのにこの少ない年金額は‥‥」といった程度の感想かもしれません。年金額といっても、全くピンとこないような少額だったりしますので、関心をもってほしいといっても無理でしょう。
「ねんきん定期便」はその誕生の経緯からして、もともとの役割は年金加入記録の確認です。ですから、将来正しい年金額が受け取れるよう、加入記録漏れがないか毎年確認することが大切なのですが、50歳未満の方にはもうひとつ有益な活用方法があります。遺族厚生年金額の把握です。
生命保険(死亡保険)の加入額を決める際、生命保険以外で受給できる金額を前提とした上で考えることは合理的です。会社員であれば勤務先からの死亡退職金や弔慰金、団体保険などがまとまった金額として想定されますが、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)も忘れてはなりません。ただ、遺族基礎年金は金額が決まっているものの、遺族厚生年金はいくら受け取れるのか分かりにくいので、その金額を前提としたプランが立てにくい面があります。
そこで「ねんきん定期便」の出番です。遺族厚生年金の年金額は老齢厚生年金の年金額の3/4。すなわち、「ねんきん定期便」の「(これまでの加入実績に応じた年金額)×3/4」というわけです。
ただし、遺族厚生年金には、厚生年金の加入期間が300月未満の場合は300月として計算するという救済規定があります。40代までの会社員は300月(25年)未満の人が多いと思います。「ねんきん定期便」には厚生年金の加入月数が記載されていますので、それが300月未満の場合は、「(これまでの加入実績に応じた年金額)×300/(厚生年金加入月数)×3/4」で求めることができるわけです。
とはいえ、50歳未満の皆さんにとって年金はまだまだ遠い先の話なので、「ねんきん定期便」に関心がない方も少なくないと思います。「ねんきん定期便」にはこれまでの保険料納付額や年金加入期間、これまでの加入実績に応じた年金額などが記載されているのですが、こうした数字を見ても、「こんなに保険料が引かれていたのか。それなのにこの少ない年金額は‥‥」といった程度の感想かもしれません。年金額といっても、全くピンとこないような少額だったりしますので、関心をもってほしいといっても無理でしょう。
「ねんきん定期便」はその誕生の経緯からして、もともとの役割は年金加入記録の確認です。ですから、将来正しい年金額が受け取れるよう、加入記録漏れがないか毎年確認することが大切なのですが、50歳未満の方にはもうひとつ有益な活用方法があります。遺族厚生年金額の把握です。
生命保険(死亡保険)の加入額を決める際、生命保険以外で受給できる金額を前提とした上で考えることは合理的です。会社員であれば勤務先からの死亡退職金や弔慰金、団体保険などがまとまった金額として想定されますが、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)も忘れてはなりません。ただ、遺族基礎年金は金額が決まっているものの、遺族厚生年金はいくら受け取れるのか分かりにくいので、その金額を前提としたプランが立てにくい面があります。
そこで「ねんきん定期便」の出番です。遺族厚生年金の年金額は老齢厚生年金の年金額の3/4。すなわち、「ねんきん定期便」の「(これまでの加入実績に応じた年金額)×3/4」というわけです。
ただし、遺族厚生年金には、厚生年金の加入期間が300月未満の場合は300月として計算するという救済規定があります。40代までの会社員は300月(25年)未満の人が多いと思います。「ねんきん定期便」には厚生年金の加入月数が記載されていますので、それが300月未満の場合は、「(これまでの加入実績に応じた年金額)×300/(厚生年金加入月数)×3/4」で求めることができるわけです。
50代の「ねんきん定期便」とのつきあい方
50歳になると「ねんきん定期便」に「老齢年金の見込額」が記載されるようになります。ただし、50代の場合、この見込額は“現在加入中の年金制度に60歳まで継続して加入したと仮定して、65歳から受け取れる年金見込額”ですので、60歳以降も働き続けることによる増額は反映されません。また、65歳以降の収入によっては在職老齢年金制度で年金が削減される場合がありますが、それも考慮されないことは、前々回のこのコラムでもご説明したとおりです。
そうはいっても、具体的な年金額が示されている価値は小さくないと私は思っています。このまま60歳まで勤務すれば、65歳から少なくとも表示された年金が受け取れるわけですから、それ以外で準備すべき老後資金額が具体的に見えてきます。また、60歳以降も働いた場合の年金の増加額(年額)は、「(平均標準報酬額)×5.481/1000×(60歳以降の月数)」で算出できますので、60代前半、さらに60代後半も働くのかどうかを、老後資金準備の観点から考える材料になるでしょう。
そうはいっても、具体的な年金額が示されている価値は小さくないと私は思っています。このまま60歳まで勤務すれば、65歳から少なくとも表示された年金が受け取れるわけですから、それ以外で準備すべき老後資金額が具体的に見えてきます。また、60歳以降も働いた場合の年金の増加額(年額)は、「(平均標準報酬額)×5.481/1000×(60歳以降の月数)」で算出できますので、60代前半、さらに60代後半も働くのかどうかを、老後資金準備の観点から考える材料になるでしょう。
年金の繰上げ受給
50歳以上の「ねんきん定期便」には、年金受給を70歳(42%増)と75歳(84%増)まで繰り下げた場合の年金額が記載されています。一方、繰り上げに関しては「年金の受給開始時期は、60歳から75歳まで選択できます。」という一文があるだけで、減額率や減額後の年金額の記載はありません。この点はハガキ形式の50歳~58歳だけではなく、詳細な封書形式の59歳も同様です。ちなみに、私が知る限り、60歳を迎える頃に「間もなく年金の繰上げ受給が可能になります」といったお知らせはないようです。
高齢期の生活保障という公的年金の役割を考えると、減額された年金が一生涯続く繰上げ受給を、私は個人的にはお勧めしませんが、FPとしては“お知らせ”くらいはしてもよいのではと思っています。繰上げのデメリットをしっかり明示した上で。
高齢期の生活保障という公的年金の役割を考えると、減額された年金が一生涯続く繰上げ受給を、私は個人的にはお勧めしませんが、FPとしては“お知らせ”くらいはしてもよいのではと思っています。繰上げのデメリットをしっかり明示した上で。

森 義博(もり・よしひろ)
公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 シニアアドバイザー
CFP®、1級FP技能士、1級DCプランナー、ジェロントロジー・マイスター
1958年横浜市生まれ。大学卒業後、国内大手生命保険会社入社、2001年から同グループの研究所で少子高齢化問題、公的年金制度、確定拠出年金、仕事と介護の両立問題などを研究。2015年ダイヤ高齢社会研究財団に出向し研究を継続。2024年4月から現職。
趣味はピアノ演奏と国内旅行(とくにローカル鉄道)。
CFP®、1級FP技能士、1級DCプランナー、ジェロントロジー・マイスター
1958年横浜市生まれ。大学卒業後、国内大手生命保険会社入社、2001年から同グループの研究所で少子高齢化問題、公的年金制度、確定拠出年金、仕事と介護の両立問題などを研究。2015年ダイヤ高齢社会研究財団に出向し研究を継続。2024年4月から現職。
趣味はピアノ演奏と国内旅行(とくにローカル鉄道)。






