えっ!自転車の事故でもそんな賠償金額になることがあるの!?

水谷 力
2026.06.22

自転車にも「青切符」導入
 2026年4月から自転車にも交通反則通告制度が適用されました。この制度は、交通違反をした場合の手続を簡略化するためのもので、一定期間内に反則金を納めることで、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けずに事件が処理されます。この時に発行される交通反則通告書がいわゆる「青切符」です。

 自転車は手軽で便利な乗り物ですが、道路を利用する以上、自動車やバイクと同様にルールを守る責任があります。「青切符」の導入によって信号無視や一時不停止といった違反が厳格に摘発されるようになることで、交通マナーの向上が期待されます。

 もっとも、「青切符」の目的は「取り締まりの強化」ではなく、「事故の未然防止」です。大切なのは「青切符を切られるから気をつける」という発想ではなく、「事故を起こさないためにどう行動するか」という姿勢です。
ルール遵守とその先の「事故防止」
 自転車は「軽車両」であり、車両の仲間です。今回導入された「青切符」は、ルールを改めて意識する良いきっかけとなるかもしれません。しかし、どんなに完璧に交通ルールを守っていたとしても、事故のリスクをゼロにすることはできません。雨の日のスリップ、子どもの急な飛び出しなどのリスクがあるにもかかわらず、自転車は気軽に乗れるため、つい危険への意識が薄れがちです。

 しかし、スピードが出ている状態で歩行者にぶつかれば、大きなけがを負わせることがあります。特に子どもや高齢者との事故では、深刻な結果につながるおそれもあります。事故を起こした後に、どんなに後悔しても手遅れです。「自分だけでなく相手の生命や身体も守る」という強い意識を持ち、周囲の状況を常に注視しながら運転することが大切です。
もし「加害者」になってしまったら
 しかし、どれだけ注意を払っていても事故の可能性はあります。もし、自転車事故の加害者となってしまったら、どのような責任を負うことになるのでしょうか。

 過去の事例では、自転車事故であっても数千万円単位の損害賠償を命じられるケースがありました。さらに、相手が亡くなった場合や、後遺障害を負ったり介護が必要な状態になったりした場合は、賠償額が一億円を超える可能性さえあります。また、運転者が未成年者の場合は保護者の監督責任が問われるケースもあります。

 個人の手持ちの財産だけでこのような巨額の賠償金を支払うのは、一般的には極めて困難です。「一生かけて払わなければならない」などといった状況を避けるためにも、十分な備えが不可欠です。
保険で備える
 では、その備えはどうすればよいのでしょうか。

 その答えは、「個人賠償責任保険(特約)」へ加入することです(注:保険会社によって名称は異なります)。この保険は、日常生活の中で他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして法律上の賠償責任を負った場合に、保険金が支払われます。

 個人賠償責任保険は自転車保険に加入する以外にも、火災保険や自動車保険、傷害保険などの特約として付帯することができ、年間数千円の保険料で数億円の補償が得られます。大きなリスクから自分自身や家族を守ることができるため、極めてコスパに優れているといえます。ぜひ加入しておきたい保険です。
参考:
【参考情報】
生命保険の募集人の方は、上記のような損害保険の話から生命保険の話につなげることも可能です(詳しくは以下の書籍が参考になります)。個人賠償責任保険の話題からのアプローチトークも収録されています(第2章 アプローチの実践<個人編>「第3話 子どもやペットのいる家庭のリスクは?」)。
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「違いを生み出すファーストアプローチ」
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水谷 力(みずたに・ちから)
株式会社セールス手帖社保険FPS研究所
社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
組織開発コンサルタント

大手保険会社在職中にFP資格やコーチング資格等を取得。現在は各種執筆活動などをおこなっている。著書には、「違いを生み出すファーストアプローチ」「違いを生み出す生損保リスクチェック」(いずれもセールス手帖社保険FPS研究所)がある。

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